教員紹介
成田 尚史 (なりた ひさし) 教授・博士(水産学) |
|
専門分野 | 化学海洋学、生物地球化学 |
研究テーマ・研究課題 | 過去を紐解き、海と地球の今を見つめよう。 海と地球の現在と過去の姿を化学成分の分布・変動から解き明かす。 |
研究内容 | 今日、大気の二酸化炭素濃度の増加に代表されるように、我々人類の活動は地球環境にさまざまな変化を与えており、地球温暖化に代表される地球環境の激変が懸念されています。 一方、過去40万年の地球は、太陽からの日射の変動によって氷期と間氷期を繰り返し、150m以上もの海水準の変動を引き起こしてきたこと、また、 大気の二酸化炭素濃度は、海が二酸化炭素を吸収したことで、氷期に低下間氷期に上昇と100ppmもの変動を繰り返してきたことも知られています。 大気二酸化炭素濃度が低下していた氷期の海は、いったいどんなすがただったのでしょうか? これから 100年さらには1000年後、地球と海はいったいどんな状態になっているのでしょうか? 川や海の水質のわずかな変化を精確に記述し、また海や湖底の堆積物を使って過去の変化を紐解くことで、100年後1000年後の地球や海の姿を少しでも正確に予測するための材料を増やしていくことを目指しています。 |
主な担当授業科目 | 地球環境科学、海洋学概論、分析化学、分析化学実験、生物化学海洋学、海洋地球科学実験、 生物化学海洋実験、地球化学 |
所属学会 | 日本海洋学会、日本地球化学会、日本分析化学会、アメリカ地球物理学連合 |
主な論文・著書 | ・「第5版 実験化学講座 環境化学」(分担)日本化学会編、丸善、培風館、2007 ・「演習で学ぶ環境」(分担)日本分析化学会北海道支部編、三共出版、2002 |
研究室について | 大学での学びは、研究室で過ごす最後の一年間に集約されるといっされるといっても過言ではありません。 研究室では、3年間学んだ知識をベースに卒業研究に挑みます。 研究テーマの達成に向けて、自ら計画を立て、試料採取し、さまざまな測定機器を使って、化学成分の測定を行います。 しかし、そう簡単ではありません。この間、試行錯誤し、時には大幅な軌道修正ややり直しを経て、一つの仕事を完成させていきます。 ここで最終的に重要となるのは、どんな卒業研究を行ったかではなく、如何に行ったかであり、それこそが長い人生を生きて行くうえでの大きな糧となるのだと思います。 研究室は、決して教わる場所ではありません。学生諸君と我々教員とが共に学ぶ場なのだと思います。 |
主な卒論のテーマ | 「北太平洋海底堆積物を用いた古海洋環境の復元」、「小川原湖固定堆積物を用いた過去15千年の古環境の復元」、 「福島第一原発事故により流出した134Csおよび137Csの海水中の分布と亜熱帯モード水の形成過程」、 「陸水の全炭酸・全アルカリ度の経年変動とその要因の解明」、「陸水の非海塩硫酸イオンの硫黄同位体比を用いた供給源の解析」 |
受験生へのメッセージ | 人類活動は、炭素、窒素、リンさらにはケイ素の循環に大きな影響を与えつつあります。そこで、山に登り海に出かけ、その変化の様子を調べます。 また、過去から今日までの変化を探るために、海や湖の底から堆積物を採取して、物質の循環と気候の因果関係も調べています。 あなたも、シャーロック・ホームズばりの推理ゲームに参加して、地球の匠を調べてみませんか。 |