教員紹介
李 銀姫 (り ぎんき) 准教授・博士(海洋科学) |
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専門分野 | 沿岸域管理論、地域経済 |
研究テーマ・研究課題 | 沿岸域の利用と管理の仕組み、地域資源管理、漁村活性化、地球規模の海洋変化に対する社会的対応策 |
研究内容 | 私たちにとって、海・沿岸域は生活と密接に関わるかけがえのないものであり、最も身近な自然の一つであります。
古くから海・沿岸域は人間社会の文化や生活または産業の場として利用され、近年ではレジャーの場やアメニティの場としてさまざまな環境サービスを提供してくれています。
しかし、このような大切な海においていま、海洋汚染・環境汚染や資源の減少、産業間のコンフリクト、さらに国家による海洋資源の囲い込み等が起きています。
そのほとんどは自然的要因よりも人為的要因によって引き起こされています。
従って、海・沿岸域を管理するという行為は、究極域には海・沿岸域を中心とする人間社会をルール化し、整序することにほかなりません。 2007年 3月、日本では海の憲法と呼ばれる「海洋基本法」が成立しました。 また、近隣の東アジア諸国においても、「海域使用管理法」や「沿岸管理法」など、海の総合的管理を目指す試みが見られています。 このような動きも、基本的には人間社会のルール化にほかなりません。私の研究はこのような社会的ルールの集合としての制度を取り上げるものです。 |
担当授業科目 | 環境政策と経済、環境ビジネス論、社会調査の技法と実際、沿岸域管理特論、海洋総合管理特論等 |
所属学会 | 日本沿岸域学会、日本海洋政策学会、国際漁業学会、日本水産学会 Integrated Marine Biosphere Research (IMBeR)、Global Partnership for Small-Scale Fisheries Researchなど |
主な論文・著書 | ・「Sakura shrimp small-scale fishery in Suruga-Bay, Japan」 ・「Social Responses to a Fishery-tourism Conflict in Onna Village, Okinawa, Japan,」 ・「由比桜えびブランド化戦略の実態と課題」 ・「銚子つりきんめ」のブランド化戦略 ・「Comparative studies on sea use right system in East Asia」 ・「Decision-making and its supporting tool in coastal management: potentiality of IMBeR」 ・「ADApT」 ・「沿岸域の重層的ガバナンスとノンガバメントセクターの役割」 ・「沿岸域管理における海域利用権利のあり方に関する日中比較研究」 ・「沿岸域のワイズユースとルール化―現状と課題―」 ・「海域使用管理法下り中国沿岸域管理の特徴と課題―山東省青島市を事例として―」 |
研究室について | ◆研究活動 本研究室では、沿岸域の利用と管理問題、海洋管理・海洋政策、地域における海面利用調整問題、地域資源の価値創造、地域活性化、海の環境教育・海洋教育などの分野における研究活動を行います。 具体的に実施される研究課題は、「卒論テーマ」をご参照ください。研究には向き・不向きがありません、努力に限ります! ◆その他 環境問題、海の問題というのはローカルに起因し、グローバルに影響しあう特徴があるため、諸外国との協働の取組みが重要です。 そのためには、相互の文化的・社会的背景を理解し、相互の言葉や海の法(のり)についてのよりよいコミュニケーションを図ることが大切です。 本研究室では、研究活動以外に英語、韓国語、中国語の教室を定期的に開き、国際的人材の育成の一助を目指します。 |
主な卒論のテーマ | 「南伊豆における沿岸域利用の実態と課題」、「漁業権利構造の実態と沿岸域管理に及ぼす影響について」、「静岡県由比地区の桜えび資源管理-コモンズ視点から」、 「東幡豆型海業の提案-魚食処・うまいはずや」、「水産物ブランド化の取組み-GI制度」、「千葉県和田町における小型捕鯨業」、 「静岡県の黒海-浜名湖」、「石垣島八重山漁協におけるサンゴ礁の保全」、「石垣島八重山漁協の6次産業化の取組み」など |
受験生へのメッセージ | 夢を実現させるための努力力(努力する力)を身につけましょう。 |