HOME > 海洋文明学科 > 教員紹介

教員紹介

大久保 彩子

大久保 彩子 (おおくぼ あやこ)



准教授・修士(経済学)

 

専門分野 環境政策論、国際関係論
研究テーマ・研究課題 捕鯨問題、海洋生物資源の国際管理、海洋環境保全のための国際協力
研究内容 1.捕鯨問題を読み解く:日本の捕鯨政策と国際交渉
商業捕鯨の再開は日本の悲願」としばしば言われますが、日本の捕鯨政策の内容は意外と知られていません。調査捕鯨の仕組みや鯨肉消費、国際捕鯨委員会(IWC)での交渉の実態を踏まえ、捕鯨政策の課題を検討しています。 また、国連海洋法条約やワシントン条約など様々な国際条約の相互関係についても分析しています。
2.南極の海洋生態系保全と国際協力
 南極の海洋生態系の保全のための国際協力は、南極大陸の領土権を主張する国々と、それを認めない国々の双方が参加するユニークな体制になっています。南極海の資源管理や廃棄物問題、海洋保護区の設定、船舶に起因する汚染への対策などの政策措置の内容や関係国間の調整過程について分析しています。
3.海洋生物資源の国際管理の現状と課題
 まぐろ類をはじめとする海洋生物資源の国際管理の取り組みは、さまざまな困難に直面しています。そこで、みなみまぐろ保存委員会や中西部太平洋まぐろ類委員会などの事例に注目して国際的な取り組みの現状を分析しています。 生物多様性の保全と資源利用を両立させ、海の恵みを末永く享受していくための国際社会の課題を探ります。

担当授業科目 海洋社会と国際関係、海の利用と国際協力、経済学、沿岸社会と産業
所属学会 環境経済・政策学会、日本国際政治学会、環境科学会、International Studies Association
主な論文・著書 ・「鯨類管理レジームの制度的相互連関:分析枠組みの再構築とその検証」大久保彩子、真田康弘、石井敦(2011)、国際政治、166、57-70.
・「南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR)における生態系アプローチの適用」2010、環境科学会誌、23(2)、126-137.
・「ISHII Atsushi and OKUBO Ayako(2007) An Alternative Explanation of Japan's Whaling Diplomacy in the Post-Moraatorium Era, Journal of International Wildlife Law and Policy, 10(1), 55-87.」
・「国際捕鯨規制における政策的相互連関の事例分析と日本への政策的含意」2007、地域学研究、37(1)、263-276.
 ・「東アジア海域環境管理パートナーシップにみる海洋環境協力の現状と課題」大久保彩子、櫻井一宏(2006)、環境情報科学論文集、20、289-292.
・「国際捕鯨委員会における不確実性の管理--実証主義から管理思考の科学へ」大久保彩子、石井敦(2004)、科学技術社会論研究、3,104-115.
研究室について  クジラやマグロ、オキアミなどの海洋生物資源の国際管理、海洋環境の保全に向けた多国間協力などについて、政策手段や制度の側面から研究しています。 サンゴ礁の保全策や海洋保護区の設定に関して、日本と諸外国の政策を比較しながら研究しているメンバーもいます。また、捕鯨政策や国際交渉の実態を見極め、クジラと人との多様なかかわりについて学ぶことができます。
受験生へのメッセージ 海の恵みを末永く、平和に利用していくためには、海の生き物や資源、環境について知るだけでなく、海と人との関わり、そして、海をめぐる人と人・国と国との関わりを知ることが大切です。 通説を疑い、一体何が問題なのか、解決への糸口はどこにあるのか、考えてみましょう。