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教員紹介

関 いずみ

関 いずみ (せき いずみ)



教授・工学博士

 

専門分野 漁村社会学、地域計画
研究テーマ・研究課題 地域社会の維持と展開
・持続する地域のための地域力を見出す調査研究(漁村におけるコミュニティビジネスの課題と可能性、漁村地域の高齢者支援活動のあり方、地域における女性の位置づけと役割)
・水産業における東日本大震災被害と復興に関する調査研究
研究内容  地域は、生活や産業を維持する社会システムと、これら人間の諸活動をとりまく自然環境のシステムとのバランスによって保たれている。 特に、漁村のように天の恵みによって成立している地域では、バランスのとれた地域システムの維持が不可欠となる。もちろん地域は生き物なので、時代背景や環境の変化、その中で生きる人々の意識等によってそのありようも様々に変わっていく。 しかし、それらの変化は、これまでのシステムの破壊の上に新たに構築されるものではなく、長い時間をかけて培われてきた地域システムの延長線上に発現するものではないだろうか。 そして、どんな変化のなかでも、根底にはそれぞれの地域の遺伝子とも言うべきもの、つまり"変わらない何か"が生き続けている。
 漁業を通じて自然との深いかかわりを持ち、経済的、立地的条件から様々な変化の影響を最も早く大きく受けている漁村で、今、何が起きているのか。 地域はどこに向かって進んでいけばよいのか。漁村における高齢者福祉問題、コミュニティビジネスの可能性、漁村の女性力の地域活性化への活用といったテーマで、具体的地域をフィールドとしながら実践活動を併せた調査研究を行っている。

担当授業科目 海の観光と社会創造、海洋コミュニティ論など
所属学会 北日本漁業経済学会、漁業経済学会、日本生活学会、土木学会など
主な論文・著書 ・「DEMATEL法による漁村の環境社会システムの構造分析と手法の応用に関する研究」北海道大学学位論文、2001.3
・「持続する漁村に向けての一考察―漁村ツーリズムの胎動と地域への効果―」法政大学地理学会、2007.4
・「女性からみる日本の漁業と漁村」共著、農林統計出版、2008
・「持続する漁村を目指して―地域活性化の起爆剤としての漁村女性の起業活動―」水産振興第44巻第2号、一般財団法人東京水産振興会、2010.2
      ほか
研究室について  研究室では、毎年西伊豆町でのゼミ合宿を開催している。西伊豆町では、町の漁業や生活の歴史について地域の人々を対象にヒアリング調査を行ったり、地元で開催されるシンポジウムや浜の清掃イベントに参加するなど、具体的なフィールド活動の基本を学んでいる。 学生たちはこれらの体験を通して、沿岸地域における人々の暮らしや文化、産業、地域活動といった自分なりのテーマを創造し、それぞれのテーマに沿ったフィールドを設定して、積極的にフィールドワークを行っている。
主な卒論のテーマ 「住民による地域活動の効果と課題―黒潮カツオ体験隊の取組―」、「温かいまちを未来につなぐ―布施田地区の遊びの変化―」、「沿岸地域のまちづくり―西伊豆町安良里地区における実践調査―」、「鞆の浦の景観と観光」、 「生活様式の変化に伴う舟屋の変容」、「地震・津波・原発による漁業被害の実態を探る―茨城県日立市の漁業を事例として―」
受験生へのメッセージ 大学は、与えられた課題をこなすのではなく、自らのテーマを自らの力で追求していく場です。努力を惜しまず、好奇心をもって、取り組む姿勢が大切です。 また、できる限り現場に行き、自分の目で見、耳で聞くことを心掛けてください。独りよがりにならず、自分のテーマが地域社会や人々の生活のあり方にどう関わるか、という視点を常に持っていてほしいと思います。
コメント あちこちの漁村を訪ね歩き、その地域ならではの食を探すことにも興味があります。