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学べること

遠洋航海は学びのフィールド。乗組員を指揮し、船を安全に目的地に導く、国際性を身につけた船長を目指そう!

我が国が運航する船舶の9割以上が外国籍船で、船長や航海士の持つ役割は単なる船舶運航者から船舶運航管理者及び外国人船員の教育者へと大きく変化しています。
また、2007年7月に「海洋基本法」が施行されて以来、海洋観測船が資源探査などで見直されてきており、海洋観測船の船長や航海士として活躍することもできます。
さらに日本人の船長経験者の減少から水先人へのプロセスも大幅に変更になり、若手の三級水先人養成機関も整備され、水先人になることもできます。このように、本専攻は外航船の船長を担う人材の育成のみならず、船舶運航管理のできる人材、海洋観測船の船長や航海士あるいは水先人となるような人材の育成を教育方針としています。したがって、カリキュラムの中に船舶運航管理や英語に関する科目を設けています。さらに乗船実習に関する科目も開講し、技術の修得だけでなく人格形成の教育にも力を入れています。


カリキュラム

航海学専攻では、海洋学・文理基礎・情報系科目と自然科学系科目を専門基礎とし、これに専門の核をなす航海学系と物流系、船舶管理系などの専門科目を学ぶカリキュラム構成になっています。さらに幅広い教養教育科目も用意されています。セメスター制度を導入しているので、学習効率がよく幅広い科目の選択が可能です。海技士資格を希望する学生は、海技士関連指定科目を修得し、かつ学部卒業後半年間の「乗船実習課程」に進学すれば、三級海技士(航海)の国家試験(筆記)が免除され、口述試験の受験資格を得ることができます。

開講授業科目

区分・科目区分構成授業科目・学科目授業科目名
1 現代文明論 現代文明論 現代文明論1/現代文明論2
2 現代教養科目 文理共通科目 生命と環境/文化と自然/構造と変化/アイデンティティと共生/
知識とコミュニケーション/テクノロジーと社会
体育科目 健康・フィットネス理論実習/生涯スポーツ理論実習
3 英語コミュニケーション科目 英語コミュニケーション科目 英語リスニング&スピーキング1/英語リーディング&ラィティング1/
英語リスニング&スピーキング2/英語リーディング&ライティング2
4 主専攻科目 学部共通科目 海洋学概論/海洋実習1/海洋実習2/海洋環境総合演習/
自然を観る眼(基礎)/自然を観る眼(物理学)/自然を観る眼(化学)/
自然を観る眼(生物学)/数を観る眼/文章表現/歴史を見る眼/
社会を見る眼/情報処理実習1/情報処理実習2
自然科学 力学入門/確率統計学/線形代数入門/線形代数/
基礎微分積分/微分積分/物理学実験
海技士関連科目 運用通信実習1/海事英語1/航海学1/運用学1/航海計器学1/
航海力学/航海法規/舶用機関概論/海事英語2/物流英語/
航海学演習1/航海学2/航海学演習2/航海学3/航海計器学2/
航海計器学実験/運用通信実習2/運用学演習1/運用学2/
運用学演習2/海事法令/航海気象学/短期乗船実習/海運実務論/
航海学演習3/乗船実習A/
乗船実習B(乗船実習課程・進学後に履修できる科目)
専門科目 航海工学入門ゼミナール/海事英語ゼミナール/電子工学/無線工学/
電子計算機応用/物流論/国際海事法/海洋計測/船舶推進機関管理/
舶用電気機器/国際物流総論/船舶管理概論/船舶保険論/
港湾工学概論/海洋開発工学/海洋資源・エネルギー工学/
船体構造工学/海運経済論/海難論/海上交通工学概論
総合科目 海洋実習3/海事研究ゼミナール/海事研究
  • ※その他、海洋フロンティア教育センター開講科目、第二外国語・スポーツなどの大学共通科目などがあります。

    主な授業科目

    船用機関概論
    将来、船長を目指す学生は船体を動かす機関の知識がなければ操船や全船を管理できません。 また、船会社の陸上勤務では船全体の管理を担当することになります。 このことから機関の知識が必要です。 本科目は、ディーゼル主機関、ボイラ、ポンプなどの作動原理・構造・管理方法などの知識を得ることを目的とします。
       

    航海学1
    針路や航路を求める

    航海に関する用語や航路標識の種類について解説し、水路図誌の種類や利用法について講義します。 また、航海にとって一番大切な船位決定に必要な位置の線の種類やその位置の線を利用した船位の決定法について講義します。 さらに、潮汐や潮流の用語解説と潮汐表の利用法についても言及します。
     

    運用通信実習2
    船員を目指す者にとって大切なシーマンシップを養う科目です。授業開始時には整列し、点呼をとります。 本学所有の小型舟艇2隻を使用し、操舵の基本練習、速力・惰力・旋回圏の性能試験を実施し、まとめとして仮想岸壁に対しての離着岸練習を行います。 また、航海気象学に関連して天気図作成演習も行います。

      
    航海気象学
    航海に必要な海上気象学を解説し、船をとりまく海上環境(天候や海の状態等)を理解させ、それが今後どのように推移するかを判断できる知識を身につけさせます。 気象に関する基礎的な用語から始まり、最終的には天気図から今後の天気の状態が判断できるようになることを目指します。
     

    物流論
    「物流」を「物の流れ」と理解し、貨物輸送と同じように考える人が多くいます。 しかし、これは間違いで、物流は貨物輸送や保管、荷役、包装、流通加工などの活動から構成されている総合的なシステム概念です。
     この授業では、各活動について、実際の写真やビデオを紹介しながら優しく解説し、何故物流が重要になったかについて学習します。
      

    運用通信実習1
    海上勤務の資質として重要なリーダーシップや協調性を身につけるとともに、シーマンシップの養成の第一歩として、端艇(カッター)や旗りゅう・発光信号、 基本となる結索(ロープワーク)などの技術の実習を行います。
     

    航海計器学実験
    実際に船で使用されている航海計器を操作しながら、原理や利用方法を体得すると同時に、データを収集し解析することでその計器の精度について学習します。
    また、シミュレータを利用して模擬操船を行い、実際の操船感覚を体得します。

    短期乗船実習
    初めて船上で練習学生として実習生活を経験します。 約1か月間、望星丸で生活し、航海士の指導を受けて海上生活を実践体験します。 また、観測船としての顔をもつ望星丸で観測補助を行うことで専門的な経験を積むこともできます。
      

    海洋実習3
    望星丸で1週間の日程で航海実習を行います。 船がたくさん航行する海域や狭く法規が複雑な海域を航海することで、机上で学んだことを目で見るとともに航海当直に入り専門的技術を習得します。
      

    運用学1
    船の構造を学びながら、船が浮かぶ仕組みや操船原理を学びます。 また、錨と舵といった船に装備するものや、船上での仕事内容、緊急時の操船方法を学びます。 また、操船の基礎である「船の旋回性能」や「惰力」などの理論を学びます。

       
    航海計器学1
    船を目的の場所へ正確かつ安全に運航させるために必要な航海計器のうち、古くから利用されている六分儀、コンパス、速力計などについて原理を学び誤差や使用方法について説明を行い、 実際船に乗った時に利用できる知識を身につけます。